T,Y様
◆お住まいの地域:大阪市
◆ご年齢:49歳
◆お仕事:教師
◆お悩みの症状:左肩痛,腰痛,股関節痛,膝痛
T,Y様が当院に来院された経緯
Tさんの主訴は左肩が肩の高さまでしかあがらず、服の脱ぎ着と教師というお仕事上黒板への板書が辛いとのことでした。
もともと腰痛があり、カイロプラクティックに通われていました。10年前に右膝の前十字靭帯の損傷と左膝の関節ねずみで両膝を手術。術後の生活で負担がかかったのか3年前には股関節も痛くなって股関節を外側にひらくことができない状況だったとのこと。
ここ3ヶ月前からは左肩が急に痛くなって、ほっておけば治るだろうと思っていたがどんどん悪化するため、不安になり当院に来院されました。
初回カウンセリングの様子
院長:
Tさんはじめまして、担当する川上といいます。よろしくお願いします。
これまでのTさんの経緯をお話いただけますか?
T,Yさん:
はい、私はずっと教師をしていてもともと腰痛持ちでした。カイロプラクティックにはその頃から通ってはいたのですが、10年前にスキーで右膝の前十字靭帯を損傷したのと左膝の関節ねずみで手術をしました。
その後リハビリなどをして、生活は普通にしていましたが、かばったりしてたのかな?とは思うんですが、3年前くらいから股関節が痛くなってきて。それとともに腰痛も強くなってきました。ずっと腰も痛いし、股関節や膝もしんどいまま生活をしてたんですが、ここ3ヶ月前から思い当たることないのに左肩が痛くなってきたんです。
まあほっとけば治るだろうと思ってたんですが、だんだん痛みが強くなってきて、肩があがらなくなってきました。背中にも手が回らないし、服を着替えるたびに痛いし、板書もきついです。
五十肩かも…と思って調べたらここがヒットしたのでみてもらおうと思ってきました。お医者さんも施術に来てるってみたので。
院長:
そうだったんですか、10年前には両膝手術したんですね。そこから股関節、腰痛にこの3ヶ月は五十肩のような症状がでているということですか、カイロプラクティックにはいかれてたそうですが五十肩かどうか病院で診断は受けましたか?
T,Yさん:
いえ、病院にはいっていません。まずここでみてもらいたいと思いましたので。あと土曜の夜があいていると思うのですが、その時間がフリーになるのでここはありがたいです。病院は土曜の夜もしまっていますし、、
病院は先に行ってきた方がいいですか?
院長:
いえ、まずは診させてもらいますので大丈夫ですよ。Tさんは五十肩と思われているようですが、確かに症状としては五十肩の特徴と似ているのですが検査をしていけば判断はできますのでまずは検査をしていきますね。
五十肩かも?と思っていても実は違っていて、1回の施術で肩がスッとあがることもあるんですよ。
では、立ち上がってもらっていいでしょうか?
検査の結果
検査を行っていく心臓と骨盤と肩甲骨に反応、
肩があがらない原因が「心臓疲労と骨盤、肩甲骨」にあったことが判明
施術でこれを改善していくことになりました。
内臓疲労の問題としては、肝臓や胃、横隔膜の緊張が強く、心臓の膜が引っ張られている状況。
骨格的な問題としては、骨盤、股関節、肩甲骨のバランスが特に崩れていました。
10年前に両膝を手術してる影響もあるのでしょう、股関節も骨盤も肩甲骨も、バランスをとるためにゆがんで補正して生活しているのがハッキリわかるくらい。
これらの結果、左肩に負担がかかり続けて症状がでていることをお伝えしました。
施術
初回の施術
初回は、
①脳への血流をあげること、上半身のゆがみをとる。
②骨盤と背骨の調整。
③肝臓、胃、横隔膜を軸に内臓を調整して心臓の負担を減らす。
この3つだけ行いました。肩を揉んだり、ストレッチなどはしていません、そこに原因はなかったからです。
結果、左肩の可動域が外転90度が精一杯だったのが→180度外転できて左耳に腕が付くまでに。
「えっ?なんで!」とTさんはびっくりされていましたが、ここで「五十肩ではなかったですよ」とお伝えしました。行った3つが身体の循環をとめるダムみたいになっていたためです。
次回は、3日後に予約をとって帰られました。まだ、3日程度しかこの状態をキープできないと予測しているためです。
2回目の施術 初回より3日後
施術前に、前回左肩が左耳まで上がる状態だったのがどうかチェックしました。
まだ耳まであがる状態をキープしていました。痛みの感じ方は板書で手をあげ続けている時と服を着るときに少し痛むがマシになったとのこと。
施術は前回と同様に行う。
結果、外転もスムーズで、痛みはほぼ感じない状態。腰も反るのが痛んでいたが、楽になったとのこと。
股関節は少し痛みが残る様子。
足を組むクセがあるようなので、その注意と左前腕の内側のケアを指導して今回は終了。
次回は4日後に予約を取って帰られました。
3回目の施術 初回より7日後
施術前の検査では、左肩が耳まで付く状態はキープできていました。背中に手を回すのはまだしんどいとのこと。
また、研修があって長い時間腕を使ったそうですが、肩に痛みが強いわけではなく、左の肩甲骨あたりに少し痛みがあるとのことでした。
今回も施術は前回までと同様。
今回で3回終了したので、土台は安定したとお伝えしました。足を組むこと、甘い物が多いようなので気をつけること、睡眠時間の確保。この生活習慣だけは守ってもらうよう指導。内臓に疲労をかけないためです。
次回からは、今までの施術に加えて、構造的(解剖学的)な問題を調整していくことをお伝えし、3日後に予約をとって帰られました。
4回目の施術 初回から10日後
「だいぶ肩楽です。」とTさん。
仕事中や服の脱ぎ着もずいぶん楽になって生活できている様子でした。
「背中にまわすのはまだ少ししんどいけど、普段まわすことは背中洗うときくらいだしそんなに不便ではなくなってます」とのこと。
今日からは、手首の関節や鎖骨、肋骨、肘関節、足首や股関節の調整をいれていくことをお伝えして、前回の施術プラスこれらをしていきました。
結果、後ろにまわすのも今までで一番動いているとのことでした。
あと2~3回くらい調整していけば、状態が元にもどることもなく良い状態をキープできることをお伝えして終了。
次回は4日後に予約をとって帰られました。
5回目の施術 初回より14日後
状態は前回の施術前よりも良いとのこと。検査をしても腰の疲労があるが、肩関節はキレイに動いています。
背中に回す動作は引っかかりはまだ少し残っていますが、改善していってます。
今回も各関節を細かく調整していきました。指の関節や頭蓋骨といったところを中心に。
施術後は肩、腰、股関節の痛みも無く、背中へまわす動作も楽になっていました。
次回は一週間後に予約を取って帰られました。
6回目の施術 初回から21日後
「だいぶいいです、楽になってます。股関節も楽だし、背中まわすのも気にならなくなってきました。」とTさん。
確かに検査でチェックしてもひっかかりはほとんどなく、疲労による腰の固さくらいでした。
調整は全体を引き上げるように、内臓、関節、筋肉、脳リンパ。を調整。
施術後は腰も楽になった様子。
今回で当初の肩のあがらない、痛みに関しては施術を終えても大丈夫と判断して、Tさんにお伝えしました。
今後は「メンテナンスとして通いたい」と希望されたので、定期的に通われて体質を変えていく方向で計画をお伝えして終了。
総括
今回のTさんは「五十肩」と思って来院されました。
症状としては確かに五十肩と同様のものがありましたから、ネットで調べたりテレビでみたり、周りの五十肩経験者にお話を聞いた結果そう思って当然だと思います。
初診時は施術前は左肩をあげようとすると90度でビタッととまって、顔をしかめて「イタっ!!」と身体に力が入っていました。
それでも検査上の問題点を処置した後は、「えっ?あがる!!」と左耳まで肩があがっていました。
本人さんはビックリされていましたが、こういうことはよくあります。
「偽五十肩」のような感じですね。
五十肩ならうずいて寝れないような急性期から始まり、慢性期、回復期という経過を一般的にはたどります。
Tさんの場合は3ヶ月前から確かに痛みはひどくなっていって、生活に支障をきたすレベルで可動域も90度いかないくらいでした。でも夜間痛(寝ている間に痛くてうずく、目が覚める)といった五十肩の特徴的な症状もなかったので、一度の施術でかなり改善してくれました。
このパターンは、長年かけて身体のバランスが崩れたまま生活してきた結果、なぜかわからないけど痛みが肩にでてくる。といった非常に多いパターン。
Tさんの場合は10年前に両膝の外傷による手術から股関節、腰、そして左肩と症状がでてきていましたから補正し続けてきた結果左肩に負担がかかっていたためでした。
そのためこのケース、肩や首まわりをストレッチしたりマッサージしたり、でんきをあてたり、シップや薬を飲んで処置をしているといつまでも治らず悪化していく一方だったはず。
その先は頚椎のヘルニアや狭窄症、本当に五十肩になっていたでしょう。頭痛や側彎といった状態になっていたかもしれません。
原因は内臓疲労(心臓、肝臓、胃、横隔膜)、骨盤、肩甲骨、股関節といったところが主な原因でした。
本人さんは感想の声に「3回くらいで今までの痛みがうそのようになってどんどん治っていった」と書いてくれています。
こんなケースで肩があがらないことはたくさんあります。
リハビリをしても、マッサージ機にあたっても、体操をしても、シップをはりつづけても。
よくならない場合は、Tさんのような状態かもしれません。もしも、私もそうかも。。。とピンときたら、ぜひご相談ください。
Tさんのように、案外スッと改善するかもしれませんよ。
川上健史郎