K.N様
◆お住まいの地域:寝屋川市
◆ご年齢:49歳
◆お仕事:会社員
◆お悩みの症状:顎関節症、腰痛
K.N様が当院に来院された経緯
「25年ほど前(20代前半)から、顎関節症とは長い付き合いです。」とNさん。
当初は片側の顎だけ口を開ける際にがくがくしていたそうで、その後両側にがくがくする状況に。親戚に歯科医がいるので、マウスピースを作成してもらい毎晩つけていたそうですが、改善しなかったとのこと。
来院の1週間前ごろ、口をあけるとがくがく音がしていたのに加え、痛みが走りだし不安になり来院されました。
初回カウンセリングの様子
院長:
Nさんはじめまして、担当する川上といいます。
顎関節症でお困りということですが、今までのNさんの経緯について詳しくお話いただけますか?
K.Nさん:
はい、25年くらい前の20代前半から顎関節症でした。口をあけるとがくがく音がなることと、あくびで顎が外れそうになることもあります。その頃は特に痛みもなかったので、がくがく音がなるのとあくびで外れそうになるのが気になっていたんですが、当初はまあほっとけばその内治るだろうと思っていました。
でも何年たっても治らず、音も大きくなってきて一度歯科でみてもらいました。親戚が歯科医なのでそこでみてもらって、顎関節症だからマウスピースをするようにといわれて、毎晩していました。
それでも、なかなか改善しないまま何年もたっています。その後、右側だけ顎関節症だったのが、両側になってきて。口をあけたらがくがくと両側に音と違和感がでてきました。この1週間前くらいからは痛みが強くなってきて、食事も話するのもきついので来させてもらいました。
院長:
そうだったんですか、詳しくありがとうございます。
マウスピースをしても改善はみられなかったんですね。
この一週間前から痛みが強くなったということですが、何か変わったことやきっかけはありましたか?
K.Nさん:
いや、それが思い当たることがないんです。
別に固いものを食べてとかでもないし、気が付いたら痛くなってました。
奥歯はくいしばっているのか磨り減っているそうです。
このまま痛くなっていきそうだし不安なので、一度こちらでみてもらったほうがいいと思いまして。
院長:
そうだったんですか、きっかけがないと何で?と思いますし不安ですよね。
では、Nさんの顎関節の状況と原因について検査をしていきます。
以外かもしれませんが顎関節症のお客さんは顎だけでなく、他の場所に原因があることが多いんですよ。
それでは、身体のバランスからみますので、立ち上がってもらっていいでしょうか。
検査の結果
検査を行っていくと身体の捻れ(上部頚椎、左股関節、右肩関節)と肝臓に反応。
顎関節症の原因が「身体の捻れと肝臓」にあったことが判明
施術でこれを改善していくことになりました。
身体の捻れと肝臓疲労が結果的に顎関節に負担をかけてしまっている状態です。
施術期間としては25年ほどの症状なので、3ヶ月程度はみてもらうようお伝えしました。
症状としては5,6回を目途にみてもらえれば楽になってくると予測。
施術
初回の施術
初回は、血液循環を引き上げるための調整をおこないました。
脳のリンパ液、内臓、頚椎、股関節、肩関節といったところを中心にすすめます。
施術後は、口を開ける際のがくがくする音はほとんど変わりがありませんでしたが、開口時痛は軽減。
初回はここで終了。
本来は3日後には次回の施術をすすめるべき状態ですが、Nさんの仕事の都合上、2週間後にしかこれなかったので、その日に予約を取って変えられました。
間が空くので、肝臓に負担をかけないように生活指導と、足を組むクセがみられたのでしないように指導させてもらいました。
2回目の施術 初回より14日後
初回より、14日後に2回目の施術になりました。
間があいたので、当然身体は元の状態に近くなっていました。
開口時痛は2日くらいで元にもどった様子、施術は前回同様にすすめます。
顎関節の調整に内臓、頚椎や股関節、肩関節を軸に調整。
施術後は開口時痛は軽減する様子だが、音ががくがくなるのは残ります。
次回は1週間後なら来院できるとのことなので、1週間後に予約して帰られました。
3回目の施術 初回より21日後
顎の開口時の痛みが軽減してきた様子。以前ほどの痛みはなく生活できているが、まだ消失しているわけではありません。
昨日寝違えたようで、首の痛みがありましたが、そこも含めて施術をすすめていきました。
背骨の柔軟性を今回は出すことを軸に行い、顎や頭蓋骨、内臓も引き続き調整。
施術後、顎の状態も良くなり痛みも軽減。がくがくと音は鳴るが、「痛みが減っているから食事と会話は楽になってる」とのことでした。
もともと、腰痛も抱えていたというNさん。「実は前から腰痛持ちだったけど、マシになってます」とポロっとおっしゃっていました。
次回も1週間以内が理想とお伝えしていましたが、仕事の都合上最短で来院できるのが2週間後のため、その日に予約をして帰られました。
4回目の施術 35日後
前回から2週間。4回目の施術日。
2週間あいたわりには、身体の戻りも強くなく、顎の痛みはそれほど気になっていなかったとのこと。ゼロではありませんが当初の食事や会話での痛みは楽になっている様子。音は開口してもらうと鳴っています。
肝臓の状態も引きあがっているし、生活の注意点もしっかり守ってくれているとNさん。
頚椎や背骨、顎の関節を軸に調整をすすめました。
次回は1週間後に来れるのでその日に予約をとって帰られました。
5回目の施術 初回より42日後
「全体的に調子よくなっています」とNさん。
日常生活の指摘した点もしっかり注意してくれているようで、内臓や股関節、頚椎や右肩関節の動きも良好です。開口時痛はほんの少し残存するくらい。音は鳴りますが、少し小さくなった様子。
施術は前回同様。顎関節、内臓、頭蓋骨、背骨の調整を軸にすすめました。
前回の寝違えたという首の状態も良いまま。
次回は最短で来れるのが18日後のためその日に予約して帰られました。
6回目の施術 初回より60日後
前回より18日後、6回目の施術日。
前回から日にちがあいたのでどうだったか確認すると、「前回から間あいたけど、気になりませんでした。顎は良い状態です、腰が少しきになるかな?くらいです。」とNさん。
口を開け閉めしてもらっても、スムーズに動いていました。前回から日にちがあいても痛みもなさそうにパクパク動かしてくれていたので、安定してくれているのが確認できました。
「不安も今はありません。」とNさん。ほぼ完治に近い状況。音は少しあるが、以前ほどでもありませんでした。
本人さんも音に関しては、少しあるけど前より減っているし気にならないとのこと。
次回は2週間後にきてもらって、そこで調子も良いままなら終了でもいいですね。とお伝えして今回を終了。
7回目の施術 初回より74日後
前回から2週間後。施術前のお話、検査をまず行います。
状況は安定していて、前回同様「不安なく過ごせてますよ」とNさん。
食事も会話も痛みなく過ごせていました。普段の生活も注意点は守ってくれているので、肝臓や各関節の状況も良い状態。
開口のチェックもOkでした。
本人さんの状況確認、施術を終えてから、「今回で顎関節症に関してはもう大丈夫ですね。」とお伝えして終了しました。
本人さんの希望もあり、この後2回だけ間をあけて来院されましたが状態も安定したまま、不安もないままだったので、卒業。
総括
今回のNさんは25年ほど前からの顎関節症でお悩みでした。開口時の痛みが主訴で、日常生活では食事と会話に支障があったため来院。
25年もの間症状を抱えていましたが、今回痛みが強くなったのはNさんとしては理由がわからなかったため、不安だったようです。
この長い年月の間、マウスピースをして改善をはかっていましたが中々改善しない状況。こういったケースはよくあります。マウスピースをしてきっちり改善して完治する方も当然たくさんいらっしゃいますが、なぜNさんは改善しなかったのでしょうか?
今回、改善までもっていけた経緯からするとそれは、顎関節自体に問題はほとんどなかったから。そう考えられます。顎の問題だけなら、噛み合わせを修正矯正してくれるマウスピースをしていれば改善していたはずなんですね。
当院に来られる顎関節症の方は、ほぼ100%マウスピース経験者です。
その方達に共通するのは、「顎自体に問題はほぼない」ってこと。
今回のNさんは下半身からの身体の捻れがクセづいていて、その捻れを上半身で補正していくことで背骨や頚椎に負担がかかり、結果顎の負担に繋がって生活していたため、思い当たることはないのに痛みが強くなって会話や食事が辛いまでになったはずです。
そのため、その捻れを調整することと、内臓の位置や疲労を調整していくことで、姿勢の崩れをださないように身体を変えていくようにしました。
そうすることで、顎への負担が減り、血液循環もよくなり、弱った顎などの組織が修復してくるのを狙って施術計画をたてていきました。
結果的に2回目の施術後に、開口時の痛みが減り、5回目の頃には食事や会話での痛みも気にならなくなり、不安も無い状況まで変化してくれました。
足を組むことや内臓に負担をかける生活習慣を改善して、きっちり継続してくれたことも早期の改善に繋がったと思われます。
Nさんは25年も顎関節症と付き合っていましたが、適切に処置をしていけば案外楽になったりするものです。音は軽減したものの少しは残りましたが本人さんは気にならない程度で、痛みに関してはゼロにもっていけました。
もしも、マウスピースをしても顎関節の痛みが変わらない…とあなたが悩んでいるのなら、こういったケースもあると知ってもらえればと思っています。
川上健史郎